「最初に入る会社」で人生は決まらない、という記事がありました。
記事が言っていることも一理あり、
・選んだ会社が自分に合っているかどうかは実際に働いてみる以外の方法ではわからない
・ファーストキャリア選びは、結局のところ長い長い職業人生の最初の一歩でしかない
という点は大いに同意します。
ただし、人生は決まらないにしても、「最初に入る会社」と「配属部署」はその後の人生を大きく大きく変えると思います。
実際にどう人生を変えるのか、4つの視点から見ていきたいと思います。
最終学歴
ファーストキャリアが最終学歴と言われるくらい、転職活動等において、最初に入った会社はひとつの大きな判断材料とされます。
ファーストキャリアが有名企業だった場合、有名企業に採用されるポテンシャルを持った人材であることを証明することになります。出身大学などの学歴よりも強力です。
逆にファーストキャリアが中小企業で、そこからステップアップしていって有名企業に転職することは、現実的にかなり難しいです。
ボクの場合、ファーストキャリアは一部上場企業でしたが、現在は小さな企業に勤めています。
正直、自分のファーストキャリアを相手が知っている場合と知らない場合で、相手の対応が異なることを実感しています。
「どこの誰かもよくわからない中小企業の担当者」と「元○○○社の担当者」では、やっぱり受ける印象が変わってくるんですね。
価値観
仕事に対する価値観は、働き始めの数年間で大部分が形成されます。
最初の環境で優秀な上司や先輩が多ければ、優れた価値観や仕事への取り組み方を学ぶことができます。それらが基礎・スタンダードとなって、よくも悪くもその後のキャリアに大きく影響を与えます。
これは会社全体のカルチャーから、配属先の上司・先輩の個性まで、色々と影響を受けます。
ボクの場合、たまたま配属された部署が海外との取引が多いところだったことが、その後のキャリアを大きく変えました。
そうでなかったら、今頃英語をまったく話せなかったかもしれません。
また、今もその頃に身につけた仕事のやり方を続けています。
得意分野
これは職種によりますね。経理や法務などのスペシャリストの場合、業界をまたいで活躍することができます。
一方、研究や営業などの場合、ファーストキャリアの業界、最初の配属部署の製品が得意分野となりがちです。
若いうちの転職であれば、思い切って全く異なる業界にチャレンジすることもできますが、年を経るごとになかなか難しくなってくるのが現実です。
ボク自身、もともとは学生時代に何となく選んだ業界でしたが、それから10年以上たった今もどっぷりその業界に浸かっています。
今から全く別の業界で働く、ということはかなり心理的ハードルが高いです。
人脈
これも大きいです。
有名企業は、なんだかんだ優秀な人間の割合が高いと思います。
特に同期の存在は大きいです。
数週間や数ヶ月間の研修を一緒に受けたりすると、絆が育まれて、数十年
経っても密な関係を保っていたりします。
最後に
「最初に入る会社」と「配属部署」はその後の人生を大きく変える、といったって、正直自分ではコントロール不可能な部分があります。
就活だって運不運もありますし、公平でもありません。
特に配属部署なんてほとんど運です。下手すりゃ人事部長と事業部長のタバコ部屋での会話で決まってたりします。
人生を大きく変える、というのは事実ですが、その後の人生をどう切り拓くかは自分次第。
ファーストキャリアの環境をどう捉えて、どう日々の仕事に取り組んでいくか、それが大切だと思います。