どーも、ちゃた(@chatalog13)です。
iPhone XR、XSシリーズから新しく搭載された「eSIM(イーシム)」、あまり注目されてませんが、実はかなり使える機能です。
もちろん最新のiPhone 11シリーズでも使えます。
特に海外での利用は通信量を大幅に抑えられるのでおすすめです。
また、最近は3大キャリアから格安SIMに乗り換える人も多いですが、国内での通信量を抑えるために「eSIM」を活用するという手もあるんです。
ボクもiPhone XR購入当初はその存在すら知らず使っていませんでしたが、先日使ってみたところ、非常に便利だということがわかったのでご紹介します。
目次
iPhoneで使える「eSIM」って何?
そもそも「eSIM」とはなにか、ここから簡単にご説明します。
「eSIM」とは?
スマホの中にはSIMカードという小さな通信用のカードが入っています。
通常はこのSIMカード、物理的に取り外しができるので、海外に行くときに現地のSIMカードに差し替えて使ったりしてる人もいます。
それに対して、今回ご紹介する「eSIM(イーシム)」とは
「Embedded (埋め込み)SIM」
の略。
これまでのようにSIMカードを物理的に差し替えることをしないで、
「端末に埋め込まれているSIMカードの情報を書き換えられるようにしたもの」
です。
ユーザーが携帯会社のウェブサイトから手続きをするだけで、端末のSIMカードの情報が書き換えられるんです。
これまでのように、いちいちSIMカードを購入して差し替えて、といった面倒な手間をせず、通信会社を変更することができるんです。
「これがなんでお得なの?」
と思うかもしれません。
それはこの後お伝えします。
「eSIM」を使えるiPhoneとその条件
そんな「eSIM」、あまり知られていませんが、実は2018年からiPhoneシリーズで使えるようになっています。
2019年10月現在で使える対象機種は次の通り。
iPhone XS
iPhone XS MAX
iPhone XR
iPhone11
iPhone11Pro
iPhone11ProMax
より正確に言うと、従来の物理的なSIMカード「nano-SIM」と「eSIM」の2つが使える「デュアルSIM」という仕様です。
日本の大手キャリアで契約して使う場合、最初は「nano-SIM」だけを使うような設定になっています。
実はそのままでは「eSIM」が使えないんです。
「eSIM」を使えるようにするには、「SIMロック解除」という手続きを行って、SIMフリー端末に変更する必要があります。
「SIMロック解除」は、各キャリアのウェブサイト上から手続きができます。
(ただし、2019年9月現在、端末を割賦購入している場合は、「契約後101日以降でないとSIMロック解除ができない」といった制限があります)
「eSIM」を使うとお得なシーン
具体的に「eSIM」は次のようなシーンで活用できる機能です。
海外での通信費用を安く抑える
「eSIM」が最も活用できるシーンとしては海外での利用があります。
海外での国際ローミングはいまだに超高額。
海外出張や海外旅行の際、日本のスマホでそのまま通信しようとすると、パケットし放題プランにしても1日1,980円や2,980円といった高額な費用がかかります。
「eSIM」を使えば、この通信費用をかなり抑えることができるんです。
「eSIM」を契約する通信会社によりますが、例えば香港の「3香港(Three HK)」という通信会社のプランの場合、10日間のプランでトータル約1,900円(1日500MBまで)。
1日あたりではなくて10日間の総額で1,900円です。
1/10以下の費用なんです。
めちゃくちゃ安いですね。
海外での定番となっているレンタルWi-Fiルーターを持ち歩く必要もないし、レンタルWi-Fiルーターよりも安いんです。
しかも、デュアルSIMのiPhoneなら、電話回線は主回線の日本の通信会社、モバイルデータ通信のみ副回線の「eSIM」、という風に使い分けができます。
これまでもSIMフリーのスマホでローカルSIMカードを使うことはできましたが、この場合、日本のSIMカードを抜く必要があり、いつもの電話番号での着信が受け取れないといった問題がありましたが、それも心配なし。
日本のいつもの電話番号での着信は受けられながら、データ通信だけ格安にすることができるんです。
海外用のSIMフリー端末を別に持ち歩くという必要もなし。
この「eSIM」によるデュアルSIM仕様、画期的な技術です。
中国のグレート・ファイアウォールを回避する
さらに、ちょっと裏技的なことなんですが、この「eSIM」、海外でも特に中国での利用がかなり便利です。
というのも、中国の通信規制「グレート・ファイアウォール」を回避できるから。
中国の場合、現地のWi-FiやローカルSIMで通信する場合、LINEやFacebook、Twitter、Google系のサービスなどがことごとく使えません。
中国政府による検閲に引っかかるんですね。
ただこのグレート・ファイアウォール、国際ローミング通信の場合は基本的に引っかかりません。
実は日本のスマホで国際ローミングでの通信をする場合、LINEもG mailも問題なく使えるんですね。
ただ、その場合の通信料は高い。
ここで「eSIM」の活用です。
「eSIM」の契約先を例えば、上述の「3香港(Three HK)」という通信会社にした場合、香港のキャリアによる国際ローミングという形になります。
香港はグレート・ファイアウォールの対象外なので、各種サービスが問題なく使えることになります。
最近は、グレート・ファイアウォールにかからない、中国出張(旅行)専用のレンタルWi-Fiルーターもありますが、費用が高いので、安く利用できる「eSIM」はありがたいです。
国内での通信費用を安く抑える
さらにこの「eSIM」、実は日本国内でも活用できるんです。
上述の「3香港(Three HK)」の国際ローミング対象国に日本も入っています。
つまり、日本でこの3香港の「eSIM」を国際ローミングで使うということができます。
国際ローミングとはいっても、10日間で1,900円。
1日あたりたったの200円以下(1日500MBまで)です。
日本の通信キャリアとの契約を安いプランにしておいて、通信容量が足りなくなった場合にはこの「eSIM」で補う、という使い方ができます。
大手キャリアで追加容量を購入する場合、1GBあたり1,000円とかしますからね。
「eSIM」を使ったほうが確実にお得です。
なお、この「eSIM」、日本の格安スマホ会社IIJmioも、2019年7月からサービスを開始しています。
まだまだ始まったばかりですが、今後に期待ですね。
「eSIM」を使うための手続方法
「eSIM」を使うためには、2つの手続きが必要です。
まずは端末の 「SIMロック解除」。
そして「eSIM」の通信会社との契約です。
それぞれの手順をご紹介します。
「SIMロック解除」の手続方法
まず端末のSIMロック解除ですが、これは通信会社のウェブサイトから自分で申し込みができます。
(通信会社のショップ店頭でもできますが、時間のムダなので自分でやっちゃいましょう)
通信会社としてはSIMロック解除はあまり積極的にされたいことではないからか、サイト上のわかりにくいところにあります。
ご参考までにソフトバンクの場合、
「契約・オプション管理」の「オプション」
へ行くと、下の方の「関連メニュー」として
「SIMロック解除手続き」という項目があります。
ここをクリックすると、次のようなページに飛びます。
いろいろと注意書きがありますが、そのまま画面に従って操作していきます。
この後、SIMロック解除をする携帯電話機の製造番号(IMEI番号)の入力が求められます。
製造番号はiPhoneの
「設定」 → 「一般」 → 「情報」
の画面で確認できます。
画面に従って、
「解除手続きをする」
ボタンをクリックすれば手続き完了です。
「SIMロック解除手続きを受付いたしました」
これが表示されればオーケーです。
「SIMロック解除はまだ完了しておりません」とも表示されますがSIMロック解除の手続き自体はこれで完了しています。
「eSIM」の契約方法【3香港(Three HK)の場合】
SIMロック解除が完了したら、いよいよ「eSIM」の契約です。
ボクは上述の「3香港(Three HK)」で契約したのでその流れをご紹介します。
こちらのサイトから手続きをします。
いくつかプランがありますが、ボクが使っているのは
「Roaming Data Prepaid eSIM $138」
というプラン。
通算10日間使えて138香港ドル(=約1,900円)のプランです。
以下の28カ国で使えます。
日本も含まれています。
注意点として、一日500MB超過後は速度制限があります。
中国(本土)、マカオ、台湾、日本、韓国、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、スウェーデン、アイルランド、デンマーク、オーストリア、フランス、インド、グアム、メキシコ、インドネシア、スリランカ、イスラエル、クウェート、ミャンマー
具体的な手順を説明していきます。
まずは
「Roaming Data Prepaid eSIM $138」
をクリック。
Terms & Conditionsに同意するをチェックし、
「Next」
をクリック。
携帯電話番号とEメールアドレス、識別文字を入力し、
「Get One Time Password」
をクリック。
クレジットカード情報を入力。
支払いが完了すると、3香港よりQRコードつきのEメールが送られてきます。
これで契約完了。
最後のもう1ステップで、iPhone本体で3香港が使えるようになります。
iPhone本体の
「設定」 → 「モバイル通信」 → 「モバイル通信プランを追加」
の画面へ進み、Eメール上のQRコードを読み取り。
設定が完了するとこのようなSMSを受信します。
これで3香港を使える状態になりました。
意外と簡単ですよね。
「eSIM」を実際に使ってみた
「eSIM」を使う際のiPhoneの設定
iPhone本体の
「設定」 → 「モバイル通信」 → 「モバイル通信プラン」
の副回線がオン担っていることを確認。
「設定」 → 「モバイル通信」 → 「モバイルデータ通信」
を主回線から副回線に変更。
「設定」 → 「モバイル通信」 → 「データローミング」
をオンにする。
このように設定すると、iPhoneでのデータ通信が「eSIM」である3香港の回線で行われるようになります。
試しに日本で使ってみたときの画面はこちら。
画面上部に主回線と副回線が表示されています。このときは3香港も日本のSoftbank回線に繋がっていたため、どちらの回線もSoftbankでした。
海外で使うときも上記と同じ設定でOKです。
中国で使ったときはこんな感じ。
このときも主回線と副回線が同じでした。
つまり、
日本の携帯の国際ローミングで接続する回線と同じ回線に接続し、使い勝手は変わらないのに、料金は格安(1日190円!)、
ということなんです。
「eSIM」を使ってみた感想
はじめて「eSIM」を使ってみた感想ですが、非常に快適。
事前に契約さえ済ませておけば、ほとんど手間なく、格安で海外でのデータ通信ができます。
上記の対象国は3香港という会社の場合ですが、日本人の主要渡航先の多くをカバーしています。
さらに3香港以外の「eSIM」業者を選べば、他の国で使うこともできます。
もうひとつ、中国の通信規制「グレート・ファイアウォール」を回避できる、というのがめちゃくちゃ大きいです。
GoogleもLINEもTwitterもDropboxも、全部問題なく使えます。
これまでは「グレート・ファイアウォール」を回避するには、日本の携帯の国際ローミングで接続するか、中国用のレンタルルーターを借りるか、香港のSIMカードを事前に購入してSIMフリー端末で使うか、など、コストが高かったり、手間がかかったりしていました。
海外だけでなく日本でも快適に使えます。
日本での使用の場合、ソフトバンク回線に繋がりました。
速度測定はしていませんが、体感的には普段のソフトバンク回線と大差ない通信速度のようでした。
あと、使っていてありがたいなと思ったのが、通信量が1日上限の500MBの半分に達すると、このようなSMSが送られてきて注意喚起もしてくれること。
通信量の使い具合が途中でわかるので、状況によって使いかたを調節することもできます。
最後に
iPhoneの「eSIM」、一般の人にはまだまだ認知されていない感じがしますが、かなり使える便利機能です。
まだほとんど海外の業者ばかりなので、初めて使うまではハードルが高く感じるかもしれませんが、意外と簡単です。
今回ご紹介した3香港という会社は、日本人による信頼できるレビューも多いので、安心して使えるのではないでしょうか。
国内海外問わず通信費用を抑えたい人、要チェックです。
それでは〜。